簡易課税と原則課税、どっちが有利?選び方のポイントを解説

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消費税の課税事業者になると、消費税の納税額を計算する方法として、「原則課税」と「簡易課税」があります。

「簡易課税のほうが計算が簡単だから有利なの?」

「設備投資をする場合はどっちがいい?」

「自分の事業ではどちらを選べばいい?」

このように、どちらの計算方法を選択するか迷う方も少なくありません。

実際には、業種や売上・経費の状況によって有利不利が変わるため、一概にどちらが有利とはいえません。

今回は、原則課税と簡易課税の違いと、選択する際のポイントを解説します。

原則課税と簡易課税の違いは?

まず、それぞれの計算方法を簡単に確認しましょう。

原則課税

原則課税では、基本的に、

 

■売上にかかる消費税額 - 仕入れや経費にかかる消費税額 = 納付する消費税額

 

という考え方で計算します。

実際に支払った仕入れや経費に含まれる消費税額をもとに、仕入税額控除を計算します。

簡易課税

簡易課税では、実際に支払った消費税額を一つひとつ集計するのではなく、

売上にかかる消費税額に一定の「みなし仕入率」を掛けて、仕入れにかかる消費税額を計算します。

そのため、原則課税と比べて消費税の計算が簡便になります。

みなし仕入率は業種によって異なります。

簡易課税の方が有利とは限らない

「簡易」という名前から、「簡易課税のほうが税金も安くなる」と思われることがあります。

しかし、簡易課税は計算が簡単になる制度であって、必ずしも納税額が少なくなる制度ではありません。

 

例えば、実際の仕入れや経費が少ない事業では、簡易課税のほうが有利になる場合があります。

反対に、仕入れや設備投資などが多い場合には、原則課税のほうが有利になることがあります。

設備投資が多い場合は要注意

原則課税では、一定の要件を満たせば、仕入れや設備投資に含まれる消費税を仕入税額控除の対象にできます。

例えば、

・店舗を新しく購入した

・高額な機械を購入した

・大規模な設備投資を行った

・事業用の建物を購入した

など、多額の支出が発生する場合です。

一方、簡易課税では、実際に支払った消費税額ではなく、業種ごとのみなし仕入率を使って計算します。

そのため、大きな設備投資を予定している場合には、簡易課税を選択する前に原則課税との比較が重要です。

業種によっても有利不利が変わる

簡易課税では、業種によってみなし仕入率が異なります。

そのため、同じ売上金額であっても、どの業種に該当するかによって納税額が変わることがあります。

例えば、サービス業と卸売業ではみなし仕入率が異なります。

また、複数の事業を営んでいる場合には、事業ごとの区分が必要になるケースもあります。

「自分の会社は何業だからこの区分」と単純に判断できない場合もあるため、注意が必要です。

簡易課税を選択するには届出が必要

簡易課税を利用するためには、原則として「消費税簡易課税制度選択届出書」を事前に提出する必要があります。

つまり、消費税の申告をするときに、

「今年は簡易課税にしたい」

と自由に変更できるわけではありません。

また、一度簡易課税を選択すると、一定期間は原則課税に戻せない場合もあります。

そのため、届出をする前に、今後の売上や仕入れ、設備投資などを考慮して検討することが大切です。

こんな場合はどちらを検討する?

簡易課税を検討しやすいケース

・仕入れや経費が比較的少ない

・大きな設備投資の予定がない

・実際の仕入税額より、みなし仕入率による計算のほうが有利になりそう

・消費税の計算をできるだけ簡単にしたい

原則課税を検討しやすいケース

・仕入れや経費が多い

・高額な設備投資を予定している

・建物など大きな資産を購入する予定がある

・仕入れにかかる消費税が大きい

・消費税の還付が発生する可能性がある

 

※あくまで一般的な傾向です。

実際にどちらが有利になるかは、事業内容や売上・仕入れの状況によって異なります。

簡易課税と原則課税、どちらを選べばいい?

どちらを選択するか迷った場合は「今年だけ」ではなく、今後の事業計画も含めて判断することが重要です。

 

例えば、

「今年は設備投資がある」

「来年は店舗を拡大する」

「今後、売上が大きく増える予定がある」

など、今後の状況によって有利な計算方法が変わる可能性があります。

 

また、簡易課税を選択するための届出には期限があるため、「申告するときに決めればいい」と考えず、早めに検討することをおすすめします。

まとめ

簡易課税と原則課税には、それぞれメリット・デメリットがあります。

簡易課税=必ず消費税が安くなる

原則課税=必ず消費税が安くなる

というものではありません。

 

特に、

・仕入れや経費が多い

・高額な設備投資を予定している

・不動産など高額な資産を購入する

・今後、事業規模が大きく変わる

といった場合には、慎重に比較する必要があります。

 

税理士法人アンサーズ会計事務所では、現在の消費税額だけでなく、今後の事業計画も踏まえて、

原則課税と簡易課税のどちらが適しているかを検討するサポートを行っています。

「簡易課税にしたほうがいい?」と迷われている方は、お気軽にご相談ください。